2009年 4月
今月は“憑依”という事について考えてみたいと思います。
よく自分には霊感があると思い込んでいる人が“霊に取り憑かれた”とか
“悪いもんを拾て来た”などと、相談に来る事があります。
又、自分ではそう思っていないのに、怪しい占い師や拝み屋に、
“貴方には先祖の霊・水子の霊・浮遊霊・地縛霊等の悪い霊が取り憑いている”と、
まるでお告げの様に言われて、その言葉に縛られて動けなくなってしまっている人も来ます。
中には、其れを取り除く為に“除霊”と称し、とんでもない額を吹っかけられる場合や、
其れこそ“この壷・この仏像を買えば救われる”等と言われて、
何の値打ちも無い高額なものを買わされたという話も聞きます。
こんなに情報が進んだ時代ですから、こんな詐欺や“まやかし”めいたものに、
騙される筈は無いのですが、解ってい乍らやはり自分ではどうする事も出来ない事を言われると、心では
“そんな事ない”と思っていても、まるで呪文の様に凝り(しこり)となって気持ちの中に残り続けます。
私は、この様な仕事をしておりますが、はっきり言って(余程特別なケースは例外として)
十中八九そんな現象は在りません。
もしそんな風に思っている人が居るのなら、もう安心してそんなものは取っ払っておきなさい。
本当に何かが取り憑くというのは、そんな得体の知れない物ではなく、
心配や懸念や後悔etcの“負の念”が引き起こす本人の間違った執着に他ならないのです。
是も又、目にする事があると思いますが、“憑物払い”というのは、
本当は本人の中に在る“不要な思い込み”其れこそが“自縛霊”となって取り憑いてしまっているのを、
本人に気付かせる事によって“ああそうやったんや!”と納得させる事なのです。
そう成れれば、自分を縛っていたモノ等消えてしまう筈です。
其れを言葉上“自縛霊”と表現して解り易くし、“縛って居たのは・苦しくしていたのは、
他の何物でもないアンタ自身なんやで”と理論的に整理して説く事でもあるのです。
そういう意味で言うならば、私は沢山の人に“憑物払い”を行っています。
是は誰かにしてもらうものではありません。
理性を持って本人が気付き、解釈し、納得し、解消する事なんですよ。
私は其の道先案内人・先達をさせてもらっているだけです。
繰り返し言いますが、もしそんな事が在っても、それは貴方の心が引き起こしているだけで、
“霊”などというものが貴方に災いを成すなんて事はまず在りませんからね。
何でも“霊”の所為にしてはいけませんよ。