2011年 7月
“今カワイイが世界を動かす”というとちょっと大げさですが、
日本発信の“カワイイ文化”が今世界中で愛され注目されています。
“COOLJAPAN”と捉えて、漫画を始め、ジブリ等のアニメ映画、
ピカチュウやキティちゃん等のキャラクター、ひらがな等の文字もカワイイらしいです。
“そんなもん幼稚なもんばっかりやないか!よう解ってえへん外人がただ珍しいだけで
キャーキャー言うてるだけや”と馬鹿にする人もいるでしょうが、
日本でもその昔から小さき愛しきものを愛し“いとおかし、いとあはれ”と愛でる表現をして来ました。
いまだにパンダを異常に好きな日本人というのもその表れです。
犬にしても、一時は大型犬にも人気はありましたが、今殆ど、目の中に入れても痛くない程、
家族として可愛がっているのは両手の上に乗る程の小型犬です。なぜなら無条件でカワイイからです。
動物だけではなく、人間の子供にしても小さければ小さい程、愛おしくて可愛らしい。
赤ちゃんはその最たるものでしょう。
歳をとって孫が出来れば“そんなん知らんでな”と言っていた人が率先して、
自ら“じいじい、ばあばあ”と目尻を下げて猫可愛がりをしています。
アニマルセラピーという分野も前からある様に、無条件に可愛い存在に
ありったけの愛情を注ぐ事によって自分の心が癒されるということもあります。
そう考えてみると、生きて行くのがこんなに大変な世の中
“カワイイ”が果たす役割は随分と大きいのかもしれません。
可愛いものを見て、可愛いものに触れて、しんどかったり傷ついたりした心が楽になるのでしょう。
振り返ってみれば、昭和の手塚治虫の時代からやっぱり“鉄腕アトム”や“ジャングル大帝レオ”や
“悟空の大冒険”は大好きでした。夢があって、可愛かったから。
それに反して欧米諸国は成熟の美に値打ちを置き、早い時期から大人に成る事を求めます。
幼かったり小さかったり可愛らしかったりするものに価値を置きませんでした。
アメリカのスヌーピーにしてもその可愛らしさに注目したのは日本人でした。
赤ちゃんの時から一人部屋を離される外国の子供と違って、
日本の子供は赤ちゃんの時から母の胸の中で包まれる様に大事にされて育ちます。
“お前は可愛いな 食べてしまいたい程可愛いな”と毎日いっぱいのカワイイシャワーを浴びて、
大きくなるのです。
世界中で一番緻密なミクロの世界のテクノロジーを、工業・医学・芸術、すべての分野に渡って、
発揮できるのは日本人です。DNAに“カワイイ遺伝子”が組み込まれているんでしょうね。
今流行のAKBについても賛否両論はありますが、やっぱり無条件であの女の子のフリルや
リボンは好き嫌いは別にしてカワイイですもんね。モノや現象だけではなくいくつになっても、
“可愛気”は失くしてはいけません。女でも男でも偉い人でもです。
仮令正しいことを言っていても反感を買う場合もあります。
同じ事を言っても“ホンマやなその通りやな”と言ってもらえる人もいます。
どこが違うんでしょう?もう解りますよね?人としての“可愛気”が有るか無いかなんですよ。
何もフリルやリボンを付けた服を着ろと言っているのではありません。
“そんなもんエエ歳してしよったら撃たれまっせ”ですよね。“心根のカワイイ”です。
これだったら誰であっても心がけられる事ですからね。カワイイ大人でいましょう。