2016年 4月
皆さんもご存知の、仏教のどの宗派にも共通のお経である般若心経の中に
“五蘊”という言葉が在ります。其れは五つの行動の種類であり、
“色・受・想・行・識”のこの五つです。
色々なモノを受容(インプット)し、考えて計算し、実際に行動に移し、其の結果を意識する
(見定める)という意味です。
其の結果が○である場合は良いのですが、自分の思っていた結果と違った時に、
仕方が無い事なのに、其処に“せんで良かった”という後悔の念や、
“こうなったのは自分がしてしまったんや”等という自責の念や罪悪感を持ってしまう事が
よくあります。
でも、其れらは全て毒の念ですから、入れてはいけない・持ってはいけないのです。
其の証拠に般若心経は其の後に“色即是空”と続きます。其れらは全て空ですよ。
拘ったって捕らわれたって固執したって何にもなりません、無ですよ。と
結局、無であり空であるという境地に達しなさいと言っています。
じゃあ何をしたって無意味なのか?というとそうではなく、無はゼロベースであり、
ゼロであるからこそ其処からの可能性は無限である。壁が無いという事なんです。
何も無い処に全てがあり、空で在るからこそ其処に新しいものを取り入れる事が出来ます。
即ち、心の中にゆとりとスペースが生まれるのです。いつもいつも私が言っております、
ニュートラル・ナチュラル・フラット・クリアそのものですよね。
結局○☓どちらの結果であったとしても毒を入れずに受け入れて、
そうであるならば反省点も含めてどうすれば良いのかという
次の一手を考えなさいという事です。
養老孟司さんの“バカの壁”という本の中に“エゴトンネル”という言葉があります。
エゴというのは自我であり、自意識の集合体ですが、其れを全面的な壁にしてしまっては
人本来の一人一人の自分にとって何が正しいのか、其の人との違いを感じるセンス(感覚)を
シャットアウトしてしまい、唯我独尊を呼んでしまいます。
エゴ自体は何も悪いものではなく、自分はこうだという自己主張ですから、在っても良く、
当然在るべきですが、其れを空洞の輪っかにしなさい。ドーナツ状ですよね。
そして其の中を色々な風が通る他人の意識も通過させる事が出来る。
“エゴトンネル”を作りなさい。と教えています。
世の中に生きていて、“絶対にこうだとか“必ずそうなる”とか“其れ以外は認めない”
とかのエゴの壁を作ってしまわないようにしましょうね。
それこそ“バカの壁”になってしまいますよ。