2017年 8月
今、政治の世界では呆れる程の既得権益から来る損得や保身ばかりが横行して、
何だかこの暑い夏にうんざりという感じですが、
一体日本人の良心は何処に行ってしまったんでしょうね。
そこでお盆の月だからという訳ではないですが、ご先祖や親から繋いだ命を
もらっているだけで、もう既に目に見えない恩を受けているのです。
昔から言われる様に、正しい親の愛情は無償です。
仮令自分の身に代えてでも、子供の為に頑張るという思いは、
昔から綿々と続いて来た“良心”そのものです。
親孝行というものを考えた時に、まず浮かぶ形は
受けた恩をしっかりと親に返す事です。
自分の出来る範囲で親を喜ばせ大事にする。
勿論、これが出来れば言う事はありません。
しっかりとした恩返しになりますから。
でも少なくとも、まだ親が元気であるならば、親が本当に願う事は、
子供に何かを返してもらう事ではなく、子供が“お母さん、私幸せやで”
“親父、俺ちゃんとやれとんで”という心配の無い笑顔で居てくれる事
ただそれだけに尽きるんです。
そして親以外にもお世話になった人は沢山いる筈ですが、
これも又同じ様にその人に直接恩返し出来るのがまず一番ですが、
そうではなくて“恩送り”と言う言葉があります。
自分が受けた愛情やしてもらった親切や優しさをその相手ではなく、
次の人に渡すという意味です。
親に受けた恩は自分の子供に、先輩に受けた恩は後輩に、
世間から受けた恩は世間の人に、という風に。
少し前に“ペイ・フォワード”という次の人へのジェントルチェーン、
優しさのバトンを繋げて行きなさいという映画がありました。
大きな事でなくて構いません。日常の中のほんの些細な事でも良いんです。
相手へのちょっとした思いやりや、それこそ今揶揄されている
反対の意味での正しい“忖度”があれば、誰でも出来る事ですからね。