2021年8月
まるで亜熱帯になってしまった様な暑さですが皆さんお元気ですか?
この未曾有のコロナ禍、第5波襲来の中、
それでも始まった東京五輪、始めてしまったオリンピック。
様々な立場の色々な思いがあるにせよ、この日・この舞台に立つ為に、
極限の努力と鍛錬を積み重ねて来た若者達(アスリート)の戦いを見てしまうと、
無観客とはいえ、世界中の選手に況してや自国の選手に声援を送ってしまい、
その結果に心が震えるのはまるでDNAに組み込まれた血の様なものだと思わざるをえません。
“そんなん全然思わへんわ”という人もいるかもしれませんが…。
それでなくても、一年延期の5年間という長い時を経て歳も取る中、
フィジカルもメンタルも同等を保つ処かより進化を目指すのは想像を絶するに余りあります。
“盛者必衰の理”という様に、絶対と見られていた王者達も次々と散りました。
体操の内村くん、水泳の瀬戸くん、テニスの大坂なおみちゃん、バトミントンの桃田くん等、
そして柔道・卓球・水泳・スケボーetcでの初めての金もあり、
その中で連覇となると、柔道の大野くんぐらいです。
“弱音を吐きそうになる自分を日々倒す為に精進した”と
凡人には計り知れない気持ちを吐露していました。
“決勝戦は恐怖でしかなかった”とも。
そして連覇の極めつけは、女子ソフトボールの上野由岐子さん(39歳)です。
この場合、同じ連覇といっても5年でも長いのに、前回の北京オリンピックから数えると、
同じ人物での13年越しの連覇です。これは普通に言うと4連覇に値します。
その後ロンドン・リオともに2大会にわたって競技種目から外され、
目標を見失って燃え尽き症候群にもなったと言っていました。
長年の投球の為に踏ん張るヒザもやられ、
又ボール顔面直撃によりアゴの骨折にも見舞われました。
それでも不屈の精神と常人には真似の出来ないトレーニングで乗り越えてきた
彼女のモチベーションはというと、
“自分の為のソフトボールは北京の金メダルで終わった。
これからは次に繋げていく子供達にソフトボールの真髄とはこういうもんだと
伝えて行く使命を持ってやっていく、即ち利己から利他への意識の転換です”と
静かに語っている言葉を聞いた時に、恥ずかしい話ですが何だか驚いてしまいました。
スポーツの在り方も時代と共に変わり、国旗を背負って国の為に戦うから、
あくまで自分の為に戦うマイセルフチャレンジへとチェンジしていきました。
とは言っても決して自分の力だけで取れたメダルではないと
周囲の人達への感謝はどの選手も口を揃えて言っていますが、
この13年という気が遠くなる様な歳月を経た上に奇跡の様な金メダルに辿り着いた
上野さんの“利己から利他への使命”には、
物凄く深い、人としての在り方と値打ちを感じました。
心から敬意を表します。
彼女はこれからも続けて行くそうです。
私達もそんな大きな事は出来ませんが、日々の暮らしの中でちょっとした事でも
“利己から利他へ”の意識を持って行動出来れば、
決して損得ではなく、自分も相手も気持ちの良い時を共有出来るのではないかと思います。