2022年11月
阿川佐和子さんの“聞く力”がベストセラーになって久しいですが、
長い間私もそれを用いた仕事をしてます。
まず人の話を聞く為には、相手の話を否定せずに受け入れなくてはなりません。
話の途中で“それはちょっと違う”と思っても、
“あなたはその時そう思ったんやね”と添う形で。
そして感情が先走って話があっちこっちになりそうな時には、
時系列に沿って柔らかく軌道修正してあげる。
そうやって相手の言いたい又は、聞いて欲しい事を、
最後まで喋らせてやる事が必要なんです。
時にはちょっとリップサービスの意味も込めて、合いの手も入れながら。
そうすると、鬱憤や毒や時には自分の正当性や自慢を吐き出せた相手は、
少なからず楽になり、気持ち良くなりますから、
そこで“それはつまりこういう事なんやね?”とまとめて、確認を得る。
そして同調だけではなく、必要であれば自分の意見やアドバイスを渡す。
最後まで聞いてあげた後での事ですから、相手も素直に聞く耳を持つ筈です。
だって、その人の中にいっぱい詰まっていた部屋が一つ空になったんですから。
今度は受け入れる余白が出来たんです。
何を言っても聞き入れそうになかった人がです。
不思議なもんですね。
でもこれは、本当は不思議でも何でもなく、当たり前の事で、
“出したら入れる・入れたら出す”人の躰も心も
その様にしてバランスを取っているんです。
でもそうなると、人の話を聞く・聞いてやるこちらも
心に余白の部屋がないと無理ですよね?
ですから、日々の生活の中で何かに対して、誰かに対して
感情の上がり下がりはあったとしても、その後ですぐに
ニュートラル・ナチュラル・フラット・クリアーのギアに
戻しておく事がとっても大事なんですね。
又、聞いてもらう方も同じ事を余りにも何度も何度もとなると、
聞く方も疲れてしまいます。
“聞く力”と“聞いてもらうルールとエチケット”
このどちらもが大切なんですよ。