2006年 7月
昔からではありますが、障害を持っている子供さんのお母さんからの相談というのが時にあります。
ソレはダウン症であったり、自閉症であったり、アトピー性の酷いアレルギーであったり、
症状は様々です。
殆んどのお母さんは、勿論生まれた時からですからしっかりとその事実と現実を受け止めて、
前向きに頑張っています。
そうやって自分自身がいつも強く・明るくいなければ、どんな小さな事であっても解決はしていけません。
回りからの優しさを受ける事はあっても、最終的には人に頼る訳にはいかないからです。
“私がしっかりしなければ”と無理にでも自分を励ますように日々を越えて行っていますが、
それでも時には、弱音を吐いて、自分が背負っている肩の荷を降ろしたくなる。
張り詰めた日々の緊張の糸が、プツンと切れそうにもなる。
そんな時に、“雄映先生の処へ来たくなる”そう言ってくれます。
“いつもいつも、あんたは明るいなぁ。強いなぁ。私らぁ、絶対真似出来へんわ。無理やわ”
回りの人々は、別に他意無く、何気なく、そう言います。
でも、決してやりたくて明るいのでも、したくて強いのでもありません。
子供の為にも・家族の為にも・そして何より自分の為に、そうでないと心が潰れて、倒れてしまうから、
「強く・明るく」居るのです。
自分を護る唯一の方法であり、武装なんです。
そう思うと、さっきの言葉は言ってはいけませんよね。
“私は出来へんわ、とても無理やわ”というのはその人の心の中で思うべき事です。
“誰もしたくてしているのではない。出来る事なら、こんな事無い方がいいに決まってる”
そう思うのは、当然です。ですが、其処で「心の天秤」です。
誰の中にも、陰と陽・プラスとマイナスの天秤があり、辛い事・しんどい事・不安な事が要素となって
自分は不幸だという被害者意識がドンと大きく一方の皿に乗ってしまう。
当然バランスは崩れますよね。
“これがある限り駄目だ”“これが無ければいいのに”と言った処で、現実は変わりません。
そうであるならば、バランスを元に戻して均衡を取る為にはどうすればよいでしょう?
そう、答えはもう一方のプラスの皿に色んな嬉しさをいっぱい載せればいいんです。
ほら、そうすればバランスは取れるでしょう?
仮令現実はそうであっても、生きて行く中での全てが不幸で出来上がっている訳では無いんですよ。
空が綺麗・お陽さんが気持ちいい・ご飯がおいしい・今日もこうやって元気に過ごせている等々、
心が蓋をしてしまっている為に見えない倖せは、実は沢山あるんですよ。
其れを感じられる心を取り戻すお手伝いをさせてもらっています。
それが「心の天秤」という事です。