2019年 9月
精神的心理療法の中の対症療法の一つで認知療法というのがあります。
今、自分にこんな症状が出ている、例えば不眠とか食欲不振とか、
人間の本来あるべき三大欲求を中心として、正常にというかその人にとっての
本来在るべき通常に作用しない。
勿論身体的な不調であるならば、まずその検査が先ですが、身体の方は別に異常は無い。
となると、これは同時に悩んでいる事も症状の一つとして捉えます。
すると、それが一体何時から始まったのか考えてみましょう。
それが分かれば、その頃何があったのかを思い出す。誰かに何かを言われたのか、
されたのか、又は自分が何かをしたのか、必ずいつもと違う流れがあった筈です。
これはイギリスの男性の話ですが、やはり不眠を訴えて心療内科にやって来た、
対症療法の反対の原因療法に基づくならば、不眠を解消する睡眠導入剤を渡せば良いのですが、
この場合はそうではなく、先程言った過程を遡らせた、
すると本人の中では既に納得していた事なのでまさかそんな事が原因だとは
夢にも思わなかったんですが、いつからと考えた時にその時にあった事を思い出した。
離婚をして、子供は妻と居る、月に一度子供と会えていた。
ところが妻が再婚をするので、もう会えないと言われた。
それももっともだと思ったので、少しは寂しいけれど納得して了承した。
ところが、深層心理では納得が出来ずに自分では意識しないままずっと引き摺っていて、
それが隠れストレスとなって出て来ていたのです。
その事が分かって理解出来て“ああそうやったんや”と受け入れられた事によって、
自分の状態をクリアに認知する事が出来たので、不眠解消となった。
という事例がありました。
或いは“心の時限爆弾”という作用もあって、その時になって
或る事柄やキーワードがスイッチとなってこれまでずっと封印していた
若しくは忘れていた事を突然思い出した、蘇ったなんて場合もあります。
何れにしても、いつ・誰が・誰に、何をした事であなたがどう感じたのか、どうなったのか、
過去をスクロールして履歴検索をしてみるのです。
何も大きな出来事ではなく、他の人から見ればほんの些細な事かもしれません。
身体は元気な筈なのに、なんかしんどい・どこかやる気が出ないと感じた時には
これをしてみるのもいいかもしれません。
根本的な解決には至らなくても“ああ、そうやったんや”と
気付いて納得出来るだけで随分と楽になれますからね。