2006年10月
秋風が心地よい季節になりました。
こんないい季節に又、四国八十八箇所お遍路を廻りたいと思っています。
そこで今月は、その唱えて廻るお経の中で、“十善戒”と言うのがありますが、
それについてのお話をしたいと思います。
まず読んで字が如く“十の善き事への戒め”まぁ解り易く言えば,“十戒”ですよね。
これは仏教の教えであります。
“十 善 戒”
一、不殺生・・無駄な殺生をしない。命あるもの全てに対し、慈しみの心を持つ。
二、不偸盗・・盗まない。正当な理由の無いものを自分のものにしたいと思わない。
三、不邪婬・・異性に対する邪な行為に耽溺しない。
四、不妄語・・誤った言葉や大風呂敷を広げない。
五、不綺語・・無駄な飾った言葉、綺麗言を言わない。媚諂わない。
六、不悪口・・悪意や敵意を持って、人を傷つける言葉を言わない。
七、不両舌・・二枚舌を使わない。誰に対しても不必要な嘘をつかない。
八、不慳貪・・必要以上に貪る無かれ。少なきを分かつ。
九、不瞋恚・・怒りを離れ、高ぶる心を捨て、憎むべからず。
十、不邪見・・先入観や偏った眼で見ず、物事の本質をありのまま受け止める。
どれも皆、当たり前のことであり、簡単そうにも思えますが、実は毎日の生活の中で、
この戒めを守り続ける事は中々難しいことなのです。
只、闇雲に全ての事柄に、ダメ出しをしている訳ではありません。
例えば“不殺生”と言った処で、人は生きて行く為に野菜も肉も殺生した後、食す訳ですから。
全ての事柄において程度とバランスのTPOを守った上で、という事です。
“不悪口”悪口を言うなと言われても腹が立った時には思わず出てしまいますよね。
其れも又良しです。
でも出来るだけ一人の時に吐き出しておくようにしましょう。
いつもいつも丸々“いい子”で居るのも疲れますもんね。
ストレスが溜まってしまっては何にもなりません。
でも此の戒めが、各々の心の中に無いのと在るのとではその言動に表れる影響は全然違ってきます。
今、あなたがしようとしている事は、此のどれかに当たりませんか?
一人一人が良く考えてみましょう。